ひしひしと感じた、ボディ内手ブレ補正だけじゃない!という思い
新製品X-H1の発売を記念して、全国6都市で富士フイルムのイベント「Xキャラバン」が開催されています。
富士フイルムのイベントですよ、福岡開催ですよ、まぁ行かないわけにはいかないですよね…Xキャラバン福岡 絶賛設営中!— FUJIFILMXseriesJapan (@FujifilmJP_X) 2018年3月24日
本日3月24日 11時から17時半まで福岡天神 スカラエスパシオ B2階でお待ちしております!^_^https://t.co/TAV6V59mIM pic.twitter.com/QVDeriFSLh
2016年のX-T2イベントの参加記事はこちらです。↓
天神で開催されている富士フイルム新製品体験イベントに行ってきました!https://www.peach-breeze.com/2016/09/fujifilm-x-t2-touch-event-report.html
X-T2へのフィードバックを活かした最新機、X-H1
X-T2ユーザーから、ボディ内手ブレ補正をつけてほしいという声以外にも、グリップを深くしてほしい、剛性を強めてほしい、それでいてXシリーズのコンパクトさは失わないでほしいなどといった要望が上がり、Tシリーズで実現するより新しくラインナップ作っちゃおうぜという流れでX-H1が企画されました。動画性能を極めていくにあたって、映画監督に使ってもらってフィードバックを得たとのこと。
「視野を広げるために撮影現場に密着し、声をとりあげた」という回想が印象的でした。
AF性能をテストするためにバスケットボールの撮影にも密着したとのこと。
カメラマンさんは当時X-T2と他社製カメラを半々で使われていたそうですが、今ではX-H1のみで撮影されていると!
担当者自らによるX-H1の紹介
続いてはX-H1ハード面での紹介。まずはボディ全体の設計から。大型のレンズを装着してもレンズの重みに負けないようにボディ自体の強度を上げる必要があります。後述するシネマ用レンズとかだいぶごついですからね…
外装のマグネシウムの厚みを25%上げ、かつ大事なポイントに補強を打つことで強度を増しました。結果的にX-T2の2倍の強度を誇るボディです。
さらに塗装やコーティングも見直され、ひっかき硬度はX-T2の4H(自動車の塗膜程度)から8Hにまで引き上げられました。保護ガラスフィルムの謳い文句を見慣れている方々からすれば、素のボディでこれだけの耐久度があるすごさは感じていただけるのでは。
さらに4K動画撮影時の発熱にも耐えられるように冷却性能も見直されました。
大型ヒートシンク搭載により、X-T2では10分に制限されていた4K動画撮影時間がX-H1では15分に。バッテリーグリップを装着するとさらに延びるそうです。
「たった5分?」と思うかもしれませんが、同じプロセッサーを使っている製品の性能がボディの改良で1.5倍になるんですよ、すごくないですか?
続いてシャッターボタンについて。「フェザータッチシャッター」と称する、ほんのわずかなタッチでもシャッターを切れる秘訣は、ボタン式のシャッターでなく板バネを使っているからだそう。個人的にこの感触があまり好きではないのですが、後述する手ブレ軽減のためにとてつもないこだわりが詰まっていました。
ちなみに、有料サービスにはなるそうですがシャッターの感覚を調整してもらえる(ようにサービスが展開される)そうです。
「ちょっと敏感過ぎる」「さらに高感度に」と思っていたX-H1ユーザーさんに朗報ですね。
フォーカスレバーはもちろん、AF-ONボタンが新設されました。さらに、ボディ右下(写真にも見えていますね)や前面の右下に凹みが入れられています。
つまり、構えたときに両手の親指の腹が当たる部分の角が削られているということです。
長時間のボディ保持が安定する、細やかですが効果的な改善です。
369万ドット、倍率0.75倍、タイムラグ0.005秒、フレームレート100fpsというGFX 50Sをも超えるXシリーズ最高のEVF。「画質を下げずに100fpsを実現しているのが誇りです」という担当者さんの言葉に重みがありました。
3方向チルトの液晶はX-T2から引き続き搭載。さらに、タッチスクリーン搭載です。
X-T20でタッチフォーカスを使っていますが、使える時にはなかなか使えます。
静止画は被写体を際立たればよいが、動画は被写体が目立ちすぎてはいけない。ストーリーを際立たせる色使いであるべき。それを業界では「シネマルック」というそうです。
ETERNAはシネマルックのためのフィルムシミュレーション。ですので静止画用フィルムシミュレーションとは根本的に違うということです。
青がProvia(ダイナミックレンジ100%)、緑がETERNA(ダイナミックレンジ400%)の階調を表した曲線です。左にいくほど暗く、右にいくほど明るいのですが、Proviaに比べETERNAでは両端がゆるやかになめらかです。黒つぶれしにくく、白飛びしにくいということを強調されました。
左からProvia、ETERNA、Velviaです。プロジェクターによる投影をさらに撮影したものなので、参考程度に。
上に挙げた3つのフィルムシミュレーションの色の出方をグラフに示したものです。
中心から離れるほど鮮やかに写ることを指しています。
簡単に見ると、スタンダードであるProviaよりVelviaは鮮やかになり、ETERNAはおとなしめ。
ETERNAがただくすんでいる、というわけではありません。Proviaよりシアン寄りになり、すこし緑がかった「シネマの青」という色を表現しています。
このあたりはうまく喋れないのでX-H1買って撮ってください。
動画撮影について。普段手持ちのカメラで動画を撮らないので、スペック面での進化しか感じることができませんが、いろいろ強化されています(雑)。
ただ1080p/120fpsでのハイスピード撮影を体験することができましたが、なかなか楽しかったです!
映画制作などでも使われているフジノンシネレンズを、クオリティそのままにXマウント用に落とし込んだMKレンズ。ホワイトバランスやフィルムシミュレーションを動かしながら現場クオリティで撮ることができます。
ズーム時のフォーカスの揺れやフレームの乱れなど、動画撮影時に生まれる(らしい)動画上のバグのようなものをことごとく潰せるそうです。
マウント部の緑ラインがいいですね。お値段は5~60万円程度らしいですが、撮影現場の人に言わせると「映画作れるレンズがこの値段なら安い」らしいです。一般人の感覚からすれば高いですが、プロからするとそうなのかも…
ちなみにこのMKレンズ、どうも量販店には並ばないらしいです。サービスステーションにすら無いかも(レンタルもなさげ)ということです。お店で注文はできるかもしれませんが、気軽に触れる機会はかなり限られそうです。
とはいえ気になるボディ内手ブレ補正の話
最大5.5段のボディ内手ブレ補正はX-H1で初めて搭載されます。富士フイルムは10年以上前から手ブレ補正に取り組んでいました。
現時点での集大成がX-H1に載るわけです、ワクワクしますね。
センサーを平面で動かして手ブレをキャンセルする以上、その駆動部によって画質が落ちることはあってはならない。とてつもない精度によるハード面の実装がなされています。
手ブレ補正側の演算はもちろん、撮影側のプロセッサもその補正の動きに合わせて再演算することで画質の劣化をなくしているそうです。
さらにこの手ブレ補正はジンバル(スタビライザー)と組み合わせることでさらにその威力を発揮します。ドローンにジンバルとX-H1を装着して撮影するとですね…
こういう揺れが起きると考えられます。大きな揺れと細かい揺れが絡み合っています。
細かい揺れは手ブレ補正としてX-H1でキャンセル!
大きな揺れはジンバル側で軽減!結果としてかなりの揺れがなくなります。
お互いの長所を活かし、弱点を補い合うコンビネーションの話をきいたとき、思わず感嘆の声が出ました。
さらに、シャッターショックによるブレを軽減 & シャッター音をなくす取り組みについて。
前者はともかく、後者は映画撮影時において重要なファクターです。
センサーを動かすことによって手ブレを補正する以上、シャッターを切ることによる動きが駆動部に伝わってしまっては元も子もありません。
X-H1には5点にバネを配置し、シャッターによる振動を排除。
さらに前述した板バネによるフェザータッチシャッターで静音化も実現しています。
このバネ、素材も動き方も5点すべて異なるということで徹底ぶりが窺えます。
まとめ: フジのイベントは楽しいなぁ。
事前登録して行ったらロゴ入りのフリクションもらいました。やったぜ。
X-T2のときもそうでしたが、開発者の生の声を聞くのって本当に楽しいです。
製品に込められた想い、「私達はこれだけ自信を持てるものを作ったんだ!」という話を聞ける機会はなかなか無いのでは。
もちろん、写真家さんによる作例を伴ったトークショーも美しく、興味深いものでした。
X-H1、今まではそんなに欲しい!とは思っていませんでしたが、単なるX-T2に手ブレ補正がついただけのものではないと知って結構興味が湧いてきました。
X-H1、今まではそんなに欲しい!とは思っていませんでしたが、単なるX-T2に手ブレ補正がついただけのものではないと知って結構興味が湧いてきました。
空きがあったのでメンテナンスサービスをお願いすると、(記憶違いでなければ)前回のイベントのときにX-A1を診ていただいた方でした。今回も鮮やかなお手並みでした。
自由時間に製品を眺めていたらXF23mm F2があったのでX-T20とシルバー揃えで嵌めてみて「かわいい~~~」などと言っていると、隣にいらっしゃったおじい様に「それ使ってるけどいいものだよ。同じ画角だとズームレンズとキレが違う」と声をかけられました。
祖父と同じくらいにお見受けした方と、同じ話題でお話ができるという大変素敵な時間でした。いいものですね…
X-H1の一ヶ月モニター体験抽選には外れてしまいましたが、富士フイルム好きが集まる空間で楽しいイベントに参加できて大変楽しかったです。
Xキャラバン、お近くで開催されていればぜひ行ってみてください!
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